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倉田 有司; 内海 宏和*
JAERI-Research 98-027, 45 Pages, 1998/05
高温ガス炉用に開発されたNi-22Cr-18Fe-9Mo合金の固溶化熱処理材、熱時効材について800及び1000Cの定荷重クリープ試験を実施し、得られたクリープ曲線に対して投影法の適用性を調べ、以下の結果を得た。(1)800Cのクリープ曲線は3次クリープ主体の曲線である。(2)固溶化熱処理材の1000Cのクリープ曲線は、初期に低いクリープ速度の領域を持つ不規則な形状の曲線である。この低いクリープ速度の領域は熱時効によって消失し、熱時効材の1000Cのクリープ曲線は正常型となる。(3)正常型のクリープ曲線は4つのを用いる投影法によって近似でき、パラメータの応力依存性が数式化される。(4)3次クリープ支配型の他の結果に対し、4つのを用いる投影法をそのまま適用することはできない。これに対し、3次クリープ項のみの投影法を適用することにより、クリープ曲線の近似が行える。
倉田 有司; 内海 宏和*
日本金属学会誌, 62(5), p.420 - 426, 1998/00
Ni-22Cr-18Fe-9Mo合金の固溶化熱処理材、熱時効材の800及び1000Cの定荷重クリープ曲線に対して、投影法の適用性を調べ、以下の結果を得た。(1)正常型のクリープ曲線を示した熱時効材の1000Cの試験結果は、4つのを用いる投影法によってクリープ曲線の近似がなされ、パラメータの応力依存性を簡単な式で表すことができる。(2)3次クリープがほとんどを占める他の条件の試験結果に対し、4つのを用いる投影法をそのまま適用することはできない。2つのを用いた3次クリープ項のみの投影法の適用を検討し、その方法によりクリープ曲線の近似が行えることを示した。(3)クリープ曲線形状に応じて、2つのあるいは4つのを用いて投影法を適用することにより、の応力あるいは温度依存性を数式化し、クリープ破断時間の予測が行えることを示した。
倉田 有司; 内海 宏和*
日本金属学会誌, 62(5), p.413 - 419, 1998/00
高温ガス炉の中間熱交換器用に開発されたNi-22Cr-18Fe-9Mo合金のクリープ曲線形状の変化を調べ、以下の結果を得た。(1)この合金の800Cにおけるクリープ曲線は、固溶化熱処理材、熱時効材ともわずかに1次クリープが認められる場合もあるが、加速クリープ域がそのほとんどを占める3次クリープ主体のクリープ曲線である。(2)固溶化熱処理材の1000Cにおけるクリープ曲線は、初期に低いクリープ速度の領域を持ち、その後、定常、加速クリープ域のある不規則な形状をしている。この低いクリープ速度の領域は熱時効によって消失し、正常型のクリープ曲線となる。(3)1000Cでの熱時効により、800及び1000Cのクリープでは、クリープ速度が増加する。この効果は1000C低応力側では小さくなる。熱時効で形成した結晶粒界上の炭化物は、ボイドやクラックの形状、成長を抑え、クリープ破断ひずみを増加させる。